ホイールの手組み2014-06
今使っているフレームのリアエンドは 130 で、ホイールは 135mm。 フレームがカーボンなだけに 5mm を無理やり広げるのがちょいと怖くて、でも 130mm の 26HE ホイールは恐らく存在しなくて、なのでお店を何軒か回って手組みホイールについて聞いてみた。 でもお店だとどうにもパーツ選択の自由度が低く、かつプロっぽい自転車屋特有のイマイチな接客をこれ以上受ける気にもなれず、遂に覚悟した! 自分で組むぞ! と。
まずはリムとハブを入手
これが揃って初めてスポーク長が分かるからね。 リムは今使ってるホイールと同じ [Mavic X517 400g ¥1,500] をヤフオクで入手。 ハブはサイクリー世田谷店で [SORA FH-3500 378g ¥1,280] を入手。 どちらも穴は 32 ホール。
続いて組み方を決める
色々な組み方があるらしいんだけど、今回はオーソドックスな 6 本組みにすることにした。 3 クロスともタンジェント組みとも呼ばれますな。 片側だけを図にすると↓の様な感じ。
↑片側だけなので 32 ホールの半分の 16 本のみの図ね。
↓手順を説明すると、まず 1 本通します。
↓そして次の 1 本は、ハブ側は 4 つ空けて、リム側は 1 つ空けて通します。>
↑コレの注意点は、1 本目をハブの手前側に通しているので 2 本目は奥側に通し、交差する場所で奥と手前を逆にする必要があること。
↓同じように 3 本目、4 本目も貼っていく。 ハブ側は 1 つ空けで、リム側は 1 本目と 4 本目が 1 つ空けになるように。こんな感じで進めていけば 16 本全部通し終わった頃には 1 周してるって寸法だね!
これを左右両面やれば完成だっ! どっちのスポークを手前に通すか奥に通すかは ITA 組みと JIS 組みっていう 2 タイプがあるらしい。 今回は何となく ITA にしてみた。
次はスポーク長を計算
使ったのは「自転車探検!」というサイト。 ノギスやらサシガネやらを使って頑張って測った数値を入力したところ、左右とも 6 本組のタンジェントで [反フリー側の左(NDS):263.4mm] [フリー側の右(DS):261.7mm] になった。 四捨五入すると 263mm と 262mm だね。 で、ネットでこの長さのスポークを探してみたところ、奇数の長さが意外と見つからない! なので 262mm で両方済ませてしまおうかと考えてたら、ヤフオクで 正体不明(のちに旭製ということが判明)の鉄スポーク [#14x261mm(18本)=115g, #14x263mm(18本)=115g, ニップル(36個)=35g ¥550] を見つけたのでサクッと落札。 スポークは太めの #14(2.0mm) で 1 本あたり約 6.4g。 ニップルは 0.97g だね。 左は 263.4mm の 263mm だから問題ないだろうけど、右の 261.7mm の 261mm は大丈夫かな。 一応 1mm 程度の誤差は許容範囲らしいし、失敗しても痛くない安さだし、これでいってみようかね!
それにしてもスポークって 72 本とか 100 本とかそういう単位でしか売ってないので、今回のように同一長が 16 本しか必要ない場合は販売本数が多すぎるよね。 サイクルショップタキザワと Bikers Online と金澤輪業とパックスサイクルとサイクルサービスおおやまと CS-MAVERICK でバラ売りしてるのは確認したので次はそこで買ってみようかな。
そうそう振れ取り台が必要だね
いろいろ考えた結果、個人ユースでは定番の [ミノウラ FT-1+FCG-310 リム振れ取り台セット ¥8,970] をワールドサイクルにて購入。 送料無料で即納だったのでサクッと注文。 なるほど、ネットで言われている通り不安定だ。 ちょっと触っただけでズレちゃうので、作業中は常にズレてないか気にしてなきゃならんのね。 まあ安いし良いか。 なんて思ってたら、注文後すぐに [PWT 折りたたみ 振取台 WTS-1924 ¥5,724] ってもっと安いやつを見つけてちょっと後悔…。 ま、こっちはセンターゲージ付いてるし良しとしよう。
何となくマジンガーZっぽい
仮組みじゃ!
まずはスポークのねじ山がニップルにちょうど隠れるくらいの緩さで全スポークを張ってみた。 リムの内部にニップルを落とさないように、爪楊枝をぶっさしたニップルを慎重にインサートし続ける。 まだ本数が少ない段階ならスポークをリムの外側まで押し出してしまえば簡単にニップルを取り付けられるね!
そうそう、ネジ切り部分にグリスかクレ556あたりを塗ると良いようだよ。 スポークプレップって専用のケミカルもあるようだね。 これをすることでスポークとニップルがしっかり締められるようになるとのこと。 ネジゆるみ止め剤はスポーク用じゃないのを塗るとニップルが固着しちゃう危険があるらしい。 ホンマかな。
そして徐々にテンションを上げていく
仮組みからまずは全ニップルを 1 回転ずつ回していき、徐々に 1/2 回転、1/4 回転と締め量を減らし、力を込めなくてもスルッと回るようなユルいニップルが無くなったくらいのところで縦振れ・横振れの除去へ移行。 振れが取れたらセンターゲージを使ってセンター出し。なんて偉そうに書いてるけど、この手順は適当ね。 あと本気で組む場合はテンションメーターってやつでテンションを測りながらやると良いらしいんだけど、今回は何となくやってみた。 テンションメーターがないと締め過ぎ注意の基準が分からないので、結構な力を入れないとニップルが回らない場合は反対側を緩めるようにした方が良いかもしれない。 今回は恐る恐るやったので多分テンション低めになってると思う。 安いテンションメーターを見つけたら買おう。
そんなこんなで完成!
リアホイールだけで 3 時間かかった。 ここから実際に走ってみて初期振れってやつを発生させて、その時点でまたフレ取りをして完了らしい。 今まで使っていたリアホイール 880g に比べて 995g と一気に重くなってしまったけど、軽く乗った感じではちょっと重くなったような気もするけど気のせいのような気もするし、よう分からん。 リム・タイヤ・チューブという漕ぎの軽さに影響の強い回転部分の外周部がそのままだから体感は出来ないのかね。 しかし見比べると前から使ってる前輪のスポークは細いね。 #15 の 1.8mm なのかな?
手組みはどうだった?
やってみたら意外と簡単だった! まさか初めて組んだホイールがいきなり普通に走れるレベルになるとは思ってもいなかった。 命にかかわる重要なパーツではあるものの、ギリギリ走れれば良いってだけならかなり適当に組んでもイケそうな気がした。 とはいえ始めるまでの情報収集に結構な時間をかけたので、そういう点ではかなり大変だったとも言える。 あとスポーク長は 1mm どころか 2mm くらいの誤差も許容されそうに思えた。 結構アバウトでも良いんだな。 とか無責任に言っちゃダメか。 ともあれ、完組を買うしかない今までの状態から一気に開放されて自由になった感じがする。 爽快!
次の目標は
今回はとりあえずスタンダードで頑丈な初心者向きの手組みホイールにしたけど、次はもっと軽量なやつを目指したい! ハブで 100g と、スポーク・ニップルで 50g の軽量化が目標! です!
その後 100km 走ってみて
一番軽い 1 速に入れるとフリー側のスポークがディレイラーにこすれる! テンション弱すぎってこと?
更にその後調整したよ
ディレイラーとの接触を防ぐために反フリー側を全体的に 3/4 回転ほど締めた。 そしたら接触しなくなった! 単純にセンターが出てなかっただけだ。 フリー側に寄っちゃってたんだろうね。 ともあれこれでひとまずこのホイールは完成! ナリ!
※追記 2023.08 > その後 30 以上のホイールを組んできたので興味があればソレらもご覧アレー