ローラーブレーキを効くようにする2020-02
我が愛車その 2 であるエセリカンベント号は、リアがバンドブレーキだとずっと思っていたけど…ローラーブレーキだった! 間違えてたスマン! 何故勘違いしてたかって、詳しく確認してなかったのが一番の原因だけど、ドコモシェアバイクやら家族の自転車やらで痛感したローラーブレーキの効きの弱さと比べて、このエセリカンベント号のソレは恐ろしく効いたから違うブレーキかと思ってたのです。 10 年以上前の自転車なのでまだローラーブレーキは存在しなかったと思ってもいたし。
どれくらい効くん?
4 台のリアのみローラーブレーキ車に乗ったトコロ、どれもブレーキレバーを全力で握っても絶対にロックしないくらい効きが弱かった。 対してエセリカンベント号は全力の 30% くらいの力でレバーを握ればロックする。 後輪がロックしてタイヤが「ズズズ」と滑ったら制動距離は大差無くなるからその制御に技術は必要だけれども、少ない握力でブレーキを掛けられるのはどちらかと言えば良い感じです。 MTB 油圧には届かないもののソレを彷彿させるピーキーな制動力。
こんなに効きが違う原因は恐らくグリス切れ
ローラーブレーキは定期的にローラーブレーキ用のグリスを注入せんとアカンらしいんやけど、ソレをせずグリスを切らすと金属同士がガリガリ擦れあって壊れてしまうらしいんな。 恐らくやけどエセリカンベント号はその状態になっていて、金属同士の猛烈摩擦で凄まじい効きを発揮していたんじゃなかろうか。「ガガガガ!」って結構な振動と音が出ていた時期があったし。 シマノのマニュアルにも
2)ブレーキの効きが異常に強すぎる場合
1)と2)が発生した場合は、ブレーキグリスの不足が考えられます
って書かれているしね。
一応確認してみよう
死ぬほど面倒やけどママチャリの後輪を外してローラーブレーキを分解してみまひょか。 まずは後輪外して〜の↓
ローラーブレーキ本体を外して〜の↓
ホレご開帳↓
コレ以上の分解は壊しそうだったので隙間から確認しただけやけど、グリス切れだよね、多分。 ローラーブレーキ用のグリスは黒いらしいけどそれっぽい粘体は確認できないから。 グリスたっぷりな奴を見てみたいところではある。
なら逆にグリスを入れて効きが悪くなるか試そう
買いましたよローラーブレーキ用グリス 100g をヤフオクにて ¥1,178 なり↓
まずはローラーブレーキのグリス注入口キャップを外す↓
外した瞬間に遥か彼方まですっ飛んでいったので失くしやすいと思われますな。 そんでチューブのノズルをホールにイン↓
ってフレームや荷台に引っかかって奥まで差し込めない! マニュアルには 12mm 差し込めって書かれとるけど 5mm くらいしか入っとらんでコレ…。 仕方なくナットを外して荷台や泥除けステーを外しつつ、ブレーキ本体のチェーンステー固定も外して差し込み口を確保↓
そんで再挑戦したら、駄目だ! そもそもノズルが太くて入り口で引っかかってたみたいだ! コレじゃ入り口を確保しても 12mm の差し込みなど遠い夢。 ぐぬぬ…。 仕方ないのでこの浅刺し状態でペダルをユルユル回しながらグリス注入。 大丈夫かな…。
走ってみよう
おぉ…全力で握ってもロックしないくらい効きが弱まった! …時もあれば今まで通りの急制動の時もある。 半々くらい。 うーんやっぱり奥まで差し込めてなかったからグリスが全体に回らんかったんかな。 それとも注入量が少ないか。 と言う訳でいつぞやの百均
コレで再度走ってみたら…完全に効かなくなったっぽいか!? いやまだ急制動は発生するけど頻度は更に減った。 忘れた頃に急に急制動が発生するちょっと危険なブレーキになったぜ。 もっとグリスを注入すればより完璧に効きが弱まるとは思うけど、そもそも今回の目的は効きを弱める事じゃないので、グリスの有無による制動力の変化が確認できた以上撤退です。 またすぐ元の猛烈制動に戻って欲しいとの願いを込めて。
※追記)この状態で暫く乗っていたら満遍なく効きが悪くなった。 急制動は完全に発生しなくなった。 グリスが行き渡るには時間が掛かるんやろね。 もっと大量に入れたらすぐ急制動が無くなったかもしれんけど。
結論、ローラーブレーキはグリス切れで効きが猛烈に強まる
グリス注入で効きが弱まったのは確認できたので、逆にグリスを切らせば効きが良くなるのは自明の理。 つまりそういう事やねんな。 内部の金属の削れが進んで短命に終わるグリス切れのデメリットも、すぐに削り切れる事は無さそう。
すぐに削り切れないという根拠は
エセリカンベント号のリアローラーブレーキが猛烈な効きになったのはワイヤーの張り具合を調整をした 2018/06 で、それから今日 2020/02 までの 1.75 年 (1 年 9 ヶ月) の間は、というか恐らくもっと前からグリスが切れていた訳です。 その間にグリス切れ状態で 300km かもしかしたら 500km は走っていたので、それくらいは問題無く走れるって事。 自分のケースでは、だけれども。
更なる根拠は、ワイヤー調整をしてから 1.75 年の間、一度も追加のワイヤー調整が必要とされなかった点。 再調整が必要な程クリアランスが広がるような金属削れが起きてないって事です。 エセリカンベント号は後ろ荷重で後輪がロックしにくいからリアローラーブレーキをメインに使っていたのに。 この感じならまだまだ金属を削りながら走れそう。 繰り返しにはなるけど自分のケースに於いてはね。
懸念としては「ガガガ」という振動や音が最近は聞こえなくなっていた事。 削れて平らになったんかな。 ワイヤー調整が必要無いレベルだから平気だとは思うけど、変化は確実にあった。 要注意。
摩擦熱も問題らしい
ブレーキを掛け続けて温度が上がり過ぎるとブレーキが効かなくなるらしい。 自分でもちょっとした坂をグリス切れリアローラーブレーキを掛けながら下ったらそうなった事があった。 急にブレーキが効かなくなってブレーキレバーの抵抗が消えて更にグニュッと握り込めるようになったんよ。 でも、摩擦熱を抑える役割も担うグリスが切れていたとはいえ、高低差 10m が 150m だから斜度 6.666...% の 10 秒ソコソコで下り切る程度の坂で摩擦熱問題起こるん? 摩擦熱とは別問題? 分からんやね。
でした
雨の日にも走りたいけどブレーキが効かないのはちょっと…という場合の雨の日専用車なら、グリス抜きローラーブレーキ車が 1 台あると便利かもしれないね。 あまり距離を走らないのと坂を下りすぎない前提で。 壊れて事故っても知らんので自己責任にて。 メーカーがグリス切れ状態で何キロ走るとブレーキが壊れるってデータを出しといてくれれば安心してグリスを切らせられるんやけど。
そうそう、このグリスもう使わないので余らすのも勿体ないし、使いたい人が居たら今回の注射器 2.5ml の 1 回分を ¥50 でお売りしますよー。 1 回で 5g らしいので、グリスの比重が分からないと何とも言えないけれど、2.5ml を 2 回注入すれば良いでしょう。 まだグリスが残っているなら 1 回でも平気でしょう。 多分。 必要な人は 100 円玉を握りしめて新座市と東久留米市の境界辺りまでお越しくだされ。