ディスクブレーキ用の前輪を組む2018-07
用意した物は
・ | リム:Stan's NoTubes Alpha 340 338g(実測) |
・ | ハブ:Prime RD010 6ボルト 24h ストレートプル用 83g(カタログ値) 98g(実測) ¥6,598 |
・ | スポーク:DT チャンピオン 2.0 293mm 7.5g(1本あたり) ¥1,859(24本で) |
・ | ニップル:DT チャンピオン付属品 14mm 0.375g(1個あたり) |
ハブ Prime RD010 とは
カタログ値詐欺はあったものの、同価格帯の TNI エボリューションディスク II (公式サイト) の 162g と比べて 98g と大幅に軽量! でもお高めで選択肢も少ないストレートプルスポーク用なのでコスパは額面より少し落ちるし、スポーク数も 24 本しか無いので自由度低し。 スルーアクスル用アダプターが付いているのは素晴らし。
ちなみにコレ Wiggle で買ったんだけど、重量サバ読みについて問い合わせたら「それは製造上の誤差なので返品するなら返送料は自己負担。でも表記は変える」との支離滅裂な返事。 表記を変えるって事は誤差じゃなくて数値が間違っていたと認める事になるのに。 しかも一向に表記は変更されず。
他にも「税金 (関税?消費税?) の還付については税務署に問い合わせろ」とかよう分からんこと言うとるし、Wiggle は Ali よりこの手の対応は明確に悪いね…。 ちなみに Wiggle の返事によると実測は 6 ボルトが 99g でセンターロックは 96g とのこと。 分かってるなら表記変えれよ…。
それから選択肢が [24h] と [24h] の 2 種類あって、どちらかが 6 ボルトでどちらかがセンターロックなんだけど、表記がないから完全ギャンブル。 問い合わせの回答では上が 6 ボルトで下がセンターロックらしいけど、自分がドッチを選んだかは忘れてしまったのでそれが本当かは分かりませぬ…。 ChainReactionCycle の同商品ならちゃんと明記されてるからソッチで買った方が良さそうですな。
※追記 19.12.31)重量が 97g になってる! wiggle には良心があるようだー。 ただロゴが変わってたり 6 ボルトが無くなってセンターロックだけになってたりするんで、名称が同じままモデルチェンジした際に重量を正しくしただけかもしれない。 というかモデルチェンジ後は 97g が 105g だったりするかも。 良心があるという確信を持つには至らないか。
気を取り直してハブの寸法を測りましょう
この CD を使う方法は ココを参考にしてみた。 カタログ値だと [PCD:34mm] [フランジ-フランジ:63.6mm] [オフセット:3.2mm] って書かれてるけど、実際に測ったら [PCD:35mm] [フランジ-フランジ:52mm] [オフセット:2.5mm] とかなり違う。 フランジ-フランジ外側で測ったらカタログ値に近い数値が出たので、今回自分がやったような中心計測では無いって事かな。 そんなこんなで [左センターフランジ間距離(CFL):23.5mm] [右センターフランジ間距離(CFR):28.5mm] を導き出しましたよ。 そうそうスポーク通し穴の直径は 2.8mm くらいやったで。 実際に 2.8mm 幅のブレードスポーク通した訳やないから確定じゃないけど。
ストレートプルスポークの長さを計算しよう
ストレートプル用のスポーク長計算サイトが自分調べじゃ見つけられなかったので自前で計算しましょう。 以下はハブの中心を [x:0, y:0] とした片面のみの図ですよ。 計算は赤いスポークの箇所で行うッス。 まず求めるべきはニップル位置である座標 A ね。
座標 A を求めよう
以下の直角三角形を三角関数で計算しますぞ。
斜辺は ERD:592 / 2 = 296 です。 角度はニップルが 12 個あるのでニップル-ニップル間の角度差が 360 / 12 = 30° である事から算出。 それらを元にこのサイトを使って計算したところ、座標 A は [x:285.9※, y:76.6※] となりましたぞ。 座標 A の計算完了ッス。
平面的な赤スポーク長を求めよう
斜辺B2 = 285.92 + 59.12 なので 81746.8※ + 3494※ = 85240.88※ となり N = √85240.88 = 292※ が答えとなりますな。 ルートの計算はココを使用。
最後に傾きを加味
斜辺 C は C2 = 2922 + 23.52 だから C = √88168.25 = 293※ です! 同じ計算で 斜辺 D も 293※ です! どっちも同じとは都合良いでな。 そういえば以前似たような計算をした時は少し長めになったので、今回はニップルの頭の厚みは無視してこれを最終値としますよっと。
そうそうスポーク穴がズレとるんや
一つの出っ張りに反対方向へのスポーク穴が同居しとるんやけど、そのせいで中心で測っていたセンターフランジ間距離が厳密には違うんよな。
↑ご覧の通り 4mm 距離があるので、例えば 23.5mm の左側センターフランジ CFL は実際には 25.5mm と 21.5mm になりんす。 今回は無視しちゃうけどコレ考慮せんでもエエんかな。 いや首折れの J Bend スポークでも内通しと外通しで距離が変わるのに考慮しとらんからエエか。 そもそも今回の計算ではセンターフランジが左右で 5mm 違うのに同じスポーク長で良かった訳だし問題無しとしましょう。 うん。
ようやくスポークを発注です
本当にこの計算が正しいか確信が無いのでまずは性能度外視の激安ストレートプルスポークを探したんやけど、国内だとそもそもストレートプルを売ってるお店が少ないせいかパックスサイクルの [SAPIM LEARDER シルバー ¥135(ニップル無し)] が最安とお高め。 なので例によって AliExpress でお安いのを探して Lightinbike Store ってトコで [DT チャンピオン 2.0 293mm 24本 ¥1,859] を発注。 1 本あたり約 ¥77 とかなり抑えられた。 首折れスポークならもっと安くできるんやけどね。 そんなこんなで 2 週間後に到着↓
組み始め
うん問題なさそう。 サクサク組みましょう。
組み終わり & 重量測定
重量は 622g。 過去の最軽量 536g や、直近まで使っていた 576g からどんどん重くなっていく…。スポークを超軽量なのにすればあと 70g 減らして 550g くらいには出来るけど、ハブがリムブレーキ用より重いのはどうにもならないね。 スポーク本数もリムブレーキより多めにしないと強度的にアレらしく、ディスク専用リムがリムブレーキ用より軽くなる分を帳消し以上に重くしてしまうので、ディスクホイールは重量的にはどうしても不利だ。
スポーク長は
ニップルのネジ山を丁度使い切るのがピッタリとしたら、今回計算したスポーク長はベストです。 長い箇所はちょうどニップルのネジ山を全て使い切っていて、短い箇所は 2 回転ぶんくらいネジ山が余ってる感じ。 平均して 1 回転余りと素晴らしいですハイ。
テンションは
左 | 107 | 107 | 107 | 120 | 107 | 120 | 107 | 120 | 96 | 120 | 120 | 96 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
右 | 96 | 107 | 96 | 86 | 86 | 86 | 96 | 77 | 96 | 96 | 77 | 86 |
100kgf 前後ですな。 この Alpha340 というリムはスポークがリムを食い破りやすいからと後期型から重量を増やして強度を高めなければならないくらい脆いリムらしいので、この初期型にはちょっと張り過ぎたかな…。
あと左側にローターが来るディスクハブ特有のオチョコ差は確かに出てますな。 まあ後輪みたいにテンション差が 2 倍に達するレベルじゃないから全然問題無いとは思うけど。
綾 は取ってない
ストレートプルなホイールは自分の知る限りじゃ多分その全てが綾を取ってないっぽいので、自分もそれに
ラウンドスポークは罠だった
ストレートプルにラウンドスポークだとニップルを回せば回すほどスポークも延々と一緒に回ってしまう! そらそうか首折れの J Bend スポークみたいに首折れ箇所がハブに引っかかって共回りを防いでくれる構造じゃないからね。 なので廃チューブを挟んだニッパーで締め付けて共回りを回避。 でも挟みどころを間違えて少しスポークに切れ込みが入ってしまった…。
という訳で、ストレートプルスポークにラウンドスポークは使わない方が良さそう。 エアロブレードホルダーとかで共回りを簡単に防げるエアロスポークを無理してでも選択した方が良いでしょう。
もいっこ罠が
アルミニップルをリム内におとして全然取れなくなってしまって、両面テープを張った紙をリムホールから突っ込んで何とか引っつけて救出した。 リムによってはカラカラ回していればすぐに出てきたりするんだけど、今回の Alpha340 はそんな甘いリムじゃなかった…。 こういう時は磁石にくっつかないアルミニップルを憎んでしまうね。
という感じでした
今回のスポーク長計算は上手く行ったね。 今までは怖くてストレートプルスポークには手を出してこなかったけど、やろうと思えば計算できる事は分かったので、これでまた選択の幅が広がった! 見事としか言いようがない! 満足です!
それにしてもどんどん AliExpress 依存が進行していくね…。 価格もそうだけど品揃えが面白い (ゴミも沢山あるけど)。 Open Dispute でセラーの不正も返金で決着してくれる (今のところは) 。 注文から到着が最速で 2 週間って弱点さえ無くなれば完璧だ。 梅雨対策として組んだホイールなのにもう梅雨終わってるしー。
※追記)フロントディスク化を実現したよ → リンク