王道な折りたたみ自転車 Tern Link A72020-12

 折りたたみ自転車はずっと欲しくて 2 年前に買った事もあったけど、ボトムブラケットの固着でカスタマイズ不可につきサクッと手放しましてん。 そしてそんな傷心から立ち直りつつある今、また折りたたみ自転車を手に入れたぞ! それがタイトルの Tern Link A7。 所謂(いわゆる)トコロの王道フォールディングバイク。

今回はコイツの第一印象レベルの所感を列挙するぞい。

どデカい箱で届いた

 箱の全長は 700c の車体より僅かに短いだけのロングサイズ。 中身は大径車でよくある前輪を外すだけの梱包だった。 いやいや折りたたんで梱包してよー送料安くなったかもしれないじゃん。 一応シートポストとペダルも外れていてハンドルポストは折りたたまれていたけど、箱は 700c が入るやつ。 ムムム…。

 それにしても隙間に詰められた新聞紙が恐ろしい量で、車体もしっかりプチプチで保護され、梱包は完璧! なんだけど、新聞紙を資源ごみ用に畳んだりしてたから箱から出すだけで 45 分掛かってしまった…。

中古だけど状態はとても良し

 極僅かな傷はあったものの、タイヤのセンターラインも残っているしほぼ走っていないようです。 タイヤを変えていないのであれば。 年式は 2019 年前後との事だったので古くても 2018 年式だね。 商品説明には「状態:C キズ・ヨゴレ・使用感あり」って書いてあったけど、自分だったら「ほぼ新品」で出品するかもしれないレベルだった。

実測重量は

 カタログ値は自分の調べた限りじゃ 2018, 2019, 2020 年式全てが 12.1kg。 そしてコレはペダル・スタンド装着状態で体重計で計ったら 12.4~12.5kg だった。 シートポストが空気入れ内蔵の BIOLOGIC PostPump 2.0 っていう実測 710g もあるヤツ↓になっていたので、そのぶんを差っ引くと大きな重量詐欺は無いけど少しだけ重いくらい?

折りたたみは簡単?

 シートポストを下げて、ハンドルを畳んで、フレームを畳んで、という流れで作業をしたら、ハンドルとブレーキレバーが邪魔をしてフロントエンドとリアエンドをくっつけるマグネットが届かない↓

アレコレ試した結果分かったのが、ハンドルの角度を変えてブレーキレバーの出っ張りを引っ込めつつ↓

ハンドルの高さも一番下まで落とす↓

コレでようやくマグネットがくっついてくれた。 大した手間じゃないけど思っていたよりは少し工程が多い。 Cadenza で痛感してはいたけど折りたたみ性能を重視するとハンドルの自由度は大幅に制限されるね。 外折れハンドルポストならもう少しマシなんやろか。

走ってみよう

 前述の箱の写真に写っているロードバイク Defy と比べると、体重をかけやすい前乗りと腕の力を推進力に変えやすいエアロバーが無い Link は走りで明らかに劣る。 でも普通の自転車として考えれば普通に走ります。 超前乗りエアロバーを基準に考えてもアレやね。 まだドロップハンドルだった頃の Defy と同じく立ち漕ぎはやりやすい。 ハンドルは高くし過ぎると立ち漕ぎしにくかった。

小径車特有の不安定さは

 ハンドルのフラつきは、今まで乗った小径車の中ではいつぞやの阪急レンタサイクルと同じくかなり安定感が高い。 手放し運転も出来たのには感動した。1.75 インチ (47mm) という極太タイヤのお陰かな。 大径車と比べれば若干のフラつきは感じるけど問題無いでしょう。 段差で車体が跳ねやすい問題は、100km 走って 1 回だけ滑らかな出っ張りで予想より車体が浮いた事があった程度。 こっちも良い感じ。 最近の小径車は不安定さを克服したんかな。 それとも自分の運転技術が上がった?

変速性能は

 チャキチャキ爆速シフトチェンジ! もしかしたら過去最高の変速スピードかもしれない。 Tourney(ターニー) 7 速ってこんなに凄かったかー。 スプロケ歯数は 14-28t と狭いので高速巡航や激坂上りはイマイチ。 自分の場合だと 30km/h までは足の回転は追い付いたので、どちらかというと坂登りの方が苦手と言えるかもしれない。

フロントリング 52t は

 700c では 34t を使っていたけど、20HE (etrto:406) の 52t は走った感じでは多分それと同じくらいの比率のようです。 単純に ETRTO で計算すると 622 / 406 = 1.53 * 34t = 52t だからピッタリ一致。 700c のアウター 50t に相当するのは 1.53 * 52 = 79.665t ってそんな大型見た事無い! と思って調べたらスマイルサイクルって店で 80t が売ってた。

ブレーキの効きは

 レバーの引きは重め。 ワイヤー引き量が多い V ブレーキに折りたたみ特有の長いフルアウターケーブルで摩擦が大きいんかな。 効き自体は程良し。 ただリムの位置によってブレーキの効きにムラがあるのがちょっと嫌かも。 この現象は Sunringle UFO の時以来の 2 例目。 UFO はニップル位置付近が効いてニップル-ニップル間が効かない、という超短間隔で「ガガガガ」って引っかかってたけど、Link のリムは「グーグッグーグッ」って感じで引っかかりの間隔は遠めで元々の効きも UFO 程じゃないから分かっていれば平気なレベル。 嫌なものは嫌だけどね。 リム表面には摩耗インジケーターの深い溝の他にも無数の細かい溝があった。 X-KEYMET の XR-19W と同じだ。

フラットハンドルは相変わらず握りにくい

 ハンドルを握ると手首を(ひね)った状態になるので長時間の維持がキツい。 でもソレを解消しようと別のハンドルにすると折りたたんだ時にコンパクトにならないし、難しいトコロやね。

グリップシフトは

 一気に何段も変えられるのが素敵です。 対してグリップシフトの幅のぶんブレーキレバーがハンドルの内側に入っているので指がレバーに届きにくい。 一長一短。

↑最初の写真が素直に握った時の人差し指しか届かない状態で、後の写真が無理やり指を内側に曲げた 2 本引き。

シートポストがずり落ちやすい

 初期状態だとシートクランプのレバーがかなり固かったので少し緩めにしたら、体重 70kg 弱の自分だと走行中にいとも簡単にズリ下がってしまう。 なのでずり落ちる度にクランプを固くする調整を続けていったら…平気になった? ひとまず直近 5km は下がってないけど、まだ完璧という確信は持てないか。 六角レンチで締めるタイプにして締め付け力を強化するなり何なり手を打った方が良いかもしれない。 ハンドルポストもレバーを柔めにすると落ちるけど、コッチはシートポストほど固くしなくても平気だった。 ハンドルとフレームの折りたたみをリリースするレバーは柔くて快適。

ハンドルの高さが変えられるのは便利

 特にウーバーの配達では「背負った料理をこぼさない直立姿勢」と「店に向かう最中の高速前傾姿勢」を両立させられて良い感じ。 カマハンエロバーのように走行中に瞬時には切り替えられないけど、一旦止まって 10 秒もあれば高さを変えられる。 前述の通りクイックレバーの固さがネックか。

ペダルは折りたたみじゃない

 折りたたみ自転車なんだから折りたたみペダルであって欲しかったよね。 どうやら Lihk A7 はこういう物らしいです。 ペダル自体を軽くして代わりにペダルレンチを持ち歩けって事かな。 ちなみに折りたたんだ状態だと左ペダルは外さなくても横幅を広げないので、右ペダルだけ外せば良さそう。

キックスタンドが不安定?

 スタンドで自立させると車体がかなり傾いて倒れやすそうなので、以前やったように長さを延長するか、軽量化も兼ねていっそ取っ払うか、何かしら手を打った方が良い? いやでもまだ倒れた事は無いからコレで良いのかもしれない。 というか未だかつて自分の感覚において安定する傾き具合になったスタンドは Giant のやつしか見た事が無いぞ? 他は全て傾き過ぎに見えた。 自分の感覚がおかしいんかな。

ステップスルー的なフレームは

 ダイヤモンドフレームと比べてトップチューブ?メインチューブ?が低くて跨ぎやすいのは便利やね。 本職のママチャリ低床フレームには敵わないけど。 トップチューブ上部にボトルケージを付けると跨ぎやすさが損なわれるので注意。

前輪のセンターがズレまくり

 梱包から解いて前輪を取り付けたらシューが接触しっぱなしでロクに走れなかった。 センターが 1cm 以上ズレていたから。 なので振れ取りしたです。 その過程でミノウラの振れ取り台とセットだったセンターゲージは 20HE ホイールには厳密には適合しない事が分かった↓

 ゲージの端の黒い平らな部分がリムに届かずタイヤに何とか引っかかってくれたレベル。 タイヤが無いと銀の斜めな部分が接触するね。 ハブ軸に嵌まる箇所は一番下まで下げたらナット締めタイプだったからギリギリ引っかかってくれたけど、クイック式だと届かないから延長させる必要がありそう。 タイヤを外せば平気かな。 あとコレはハブの OLD が 74mm だから 100mm ならまた違う結果になるかもしれない。 使えない事は無いってレベルです。

※ミノウラのセンターゲージは黒い部分の取り付け方を変えると小径ホイールにも対応するっぽい↓

情報提供感謝! 集合知! まだ実際にタイヤを外した前輪に合わせて試してはいないけど、コレで前ハブに届かない問題も起こらなければ問題無しやね。

でした

 ひとまずノーマル状態で 100km 程走って分かった事を列挙してみましたよい。 走り自体は抜群の変速性能と小径車にしては高い安定性で文句無しやね。 でもシートポストずり下がり or クランプ固過ぎ問題がイマイチで、何より走行不能レベルの前輪の異様なセンターずれ、テメーは駄目だ。 もしコレが中古だからじゃなくて tern 品質そのものだっていう事なら、Link A7 はその辺を調整してもらえる店で買わにゃアカンですやね。

 総合すると、今回のこの中古の個体は自分で自転車の調整が出来ない人にはもうダメダメです。 でも、ずり下がりはシートポストが変更されたせいで、前輪センターずれは事故車だったから、って事ならタイトルの通り極めて王道な自転車と言えるんじゃないでしょうか!

更新情報
自転車弄り
旅・ツーリング
データ的な
独り言
問い合わせ
スマホ表示
…通信中…
旧デザインに戻す