超ミニ V ブレーキ テクトロ 926AL2018-10
ドロップハンドルに使われるブレーキレバーはそのほぼ全てがキャリパーブレーキ用 (ディスクブレーキは考慮しません)。 なので V ブレーキ車にドロップハンドルを装着する時はキャリパー用レバーにそれなりに対応できるブレーキとしてミニ V ブレーキってのが使われる事が多いんな。 そんなミニ V ブレーキの中でも一番キャリパーレバーに適しているのがタイトルの [超ミニ V ブレーキ テクトロ 925AL] ですぞ。 ココで既に登場しております。
ミニ V ブレーキって何?
アームレングスが短いブレーキですな。 言葉よりも写真を↓
左が [シマノ DXR BR-MX70] で、右が今回の 926AL。 実測 104mm くらいの一般的なアームレングスの DXR に比べて 926AL 80mm の短いこと短いこと。 他のミニ V は多くが 85mm なので 926AL が一番短い。 ハズ。
アームが短いとどうなりますの?
ブレーキワイヤーの引き量が少なくて済みますのよ。 一般的なアーム長の DXR の V ブレーキ本体がレバーに要求する引き量を 4 とすると、926AL の要求引き量は 4 * (80 / 104) = 3.08 となります。 最近のシマノのドロハン用レバーは引き量が 2.5 なので、要求される引き量 3.08 を 2.5 で引くからブレーキシューの移動量はメーカー想定に比べて 2.5 / 3.08 = 81% と 19% ほど減ります。 なのでクリアランス調整はよりシューをリムに近付ける細かい調整が要求されるけど、技術があれば使える組み合わせ。 などというゴチャゴチャした話はコッチに書いたのでご覧よ。
今まで使ってた組み合わせは
今まではレバーが [テクトロ RL740 引き量:3 ] に上記の [シマノ BR-MX70 引かれ量:4 ] なので、3 / 4 = 75% と、25% も引き量が足りないカツカツ状態でブレーキシューのクリアランス調整をせなアカンかったので、中々に手間だった。 でもレバーの引き量が少なくなればなるほど理論上はブレーキの効きが強くなるのでコレは効きがかなり強くなる組み合わせ。
ゴタクは良いから交換しましょう
ホイ交換↓
レバーは [テクトロ 275A] という引き量 2 の古風なキャリパー用レバー。 取り付ける時にクランプが開くオープンクランプってやつで、グリップとかを外さなくてもレバーの交換ができるイカしたヤツやで。 引き量の不足は 2 / 3.08 = 65% の 35% と異様に引き量が足りない。 厳しいシュー・リム間クリアランス調整には慣れてるけど、こんなんで大丈夫かな…。
タイヤクリアランスは
実測幅 32mm のタイヤ装着時でもまだ上に 5mm 以上は余裕があるので、37mm は問題無さそう。 40mm は厳しい感じかな。 知らんけど。
余ったインナーワイヤーが足に当たらないように飛び出てる部分はマジックテープでバリッと固定して足への干渉を防ぐよ。
アウターの長さが足りなくなった
アームが 24mm 短くなったのでアウターもそのぶん長くせなあきまへん。 なので [Tideace アルミピースアウター] を 3 ピース追加。 こういう調整が簡単にできるのがピース系アウターの良い所よね。 ピースの中に通すライナーはハサミで切ってしまったので短いままピースだけ追加。
さて走ってみたら
ブレーキの効きは感覚値で 2~3 割ほど向上! リアブレーキは効きが強くなっても一定以上効かせるとロックしてスリップしてしまうので強過ぎない方が良いけど、今回は丁度良い感じになってくれたかな。 レバーの引きの軽さは少し軽くなった。 引き量が減ってワイヤーの摩擦による抵抗は減ったからか、後述のアウターの引っ掛かりが無くなったからか。 引き量が少ない事により発生するクリアランス調整も以前に比べてそこまで困らず。 RL740 よりレバーのストロークが長くなったんかな。 ともあれ素晴らしいですハイ。
そもそも何で今回の交換をしたかというと
RL740 だとカマハンエアロバーのブリッジにしているバーエンドバーとブレーキアウターワイヤーが接触してしまっていて、Tideace のアウターピースのデコボコが引っかかってレバーの戻りが悪かったから。 アウターを動かしてしまう補助ブレーキ系の欠点だ。
なのでレバーを変えたくて、でもグリップを外すのが面倒だからオープンクランプタイプしか使いたくなくて、それなら手元にある 275A の使用は決定。 でもそうなると V 本体に引かれ量 4 の DXR は使えない。 故に前に買って放置していた引かれ量 3.08 の 926AL の実践初投入! という訳ですな。
ブレーキインナーにクレ556を吹いてみたら
今回のブレーキ変更完了後、一旦ワイヤーを外して注油して再装着させたら、潤滑油としてワイヤー抵抗を減らしてくれたのかレバーの引きがこれも 2~3 割ほど軽くなって効きも強まった。 ただ556はゴムやプラスチックを溶かすらしいので、吹いた直後は問題無かったけど今後ライナーが溶けるかもしれない。 なので試しに廃チューブにクレ556を吹きかけてみたけど目視で溶解は確認できず。 乾く度に吹きかけて、を 10 回近く繰り返したけど穴が空く気配も無い。 携帯ポンプの修理でゴム部分に吹いたけど数年たった今でも問題無く使えてるし、個人レベルで気にする事では無さそうね。
そんな感じでした
アームレングス 80mm の 926AL なら比率 2 の古いキャリパーレバーでも動く事が確認されましたな。 コレなら比率 2.5 の最近の STI はまず問題無いでしょう。 まあ全ての環境で同じ結果が
※追記)V ブレーキの台座によっては問題が起こる事が発覚!