SPD-SL デビュー!2016-07
自転車をより効率的に漕ぐために靴がペダルにガチャンと固定されるビンディングシステム。 まずは初心者向きのスニーカー SPD シューズから入り、次は方向性は継承しつつもより軽量な革靴 SPD シューズに履き替え、そして今回は方針を変えて歩きにくい代わりにスピードを得られるという走り特化の SPD-SL に挑戦!
ちなみに SPD-SL はロードに初めて乗った 15 年チョイ前の 20 代前半に使ってるんで厳密にはデビューやないんやけど、そん時は立ちゴケで怖くなってすぐ使わなくなったんで実質今回デビューってことでな。
で、買ったのは
[シマノ SH-R078 43サイズ 545g(実測) ¥8,081] をヤフオクにてと、[VP VP-R76 243g(両ペダル) 48g(両クリート) 13g(長ボルト) 12g(短ボルト) 18g(ワッシャー) ¥2,786] をサイクルベースあさひにて。
これらを選んだ理由は値段と重量を天秤にかけた結果ね。 靴は多分 1~2 世代前のモデルやけどカチカチ締めるアレがマジックテープという原始的なソレに置き換えられてるぶん 3 万円の現行のシマノの最上位よりも軽く、ペダルも 2 万円のデュラペダルと同等の重量なのに激安!
細かい重量差は
今までの [SH-UT70 605g] と [Dixna ロードトリップ 240g] の組み合わせと比べると、ペダルはほぼ同じながらクリートのボルト本数が増えるぶん 10g ほど重くなり、靴は -60g と少し軽くなるので、差し引き -50g ほどの軽量化。 ただ歩行を考慮してクリートカバー 69g 前後を持参すると僅かに重くなる。 でも回転部分が軽くなるから軽量化効果は今回のほうが高いっちゃ高いのかな。 まあ誤差レベルやね。
靴はフィットした?
今まではワイドな SH-CT40L 44 サイズがややブカブカで、これもワイドな SH-UT70 42 で極限ピッチリだったので、今回のワイドじゃない SH-R078 は 43 にしてみた。 そしたらピッタリフィットやで! 販売終了モデルだから試着できないし怖かったけど結果オーライやでよ!
ペダルはどや?
回転重すぎゴリゴリすぎッショ! 雨ざらしのママチャリに装着されていたペダルと比べても未だかつて経験したことのない猛烈な抵抗と…ゴリ感…くそぅ。 あさひでオススメしてたけどちゃんと使わんで勧めてるんやないか? こういうのアカンでホンマ。 なんて嘆いててもしょうがないし何とかするか…。 ペダルの玉当たり調整しよか!
↑という事でまずはキャップ的なものにマイナスドライバー差し込んで…
↑クリクリしてキャップを外して現れたナットを…
↑軸側をペダルレンチで、ナットは 10mm ソケットレンチで掴んで回して…
↑外れたナットの更に内側にある玉当たり調整ナットをペンチで摘んでクリクリよ! 本当は玉当たり調整ナットもソケットレンチで回したかったんだけど、10mm じゃ入らなくて 12mm はスカスカで 11mm のソケットを見つけられなかったのでペンチで無理やり回した。 これで回ってくれたから良かったものの、もし 11mm が必要だったら壮絶なソケット探しの旅に出るところだったよ…。 見つかっても合うかどうか分からんし。 ともあれ、結構苦戦したけどガタツキもなく自重でクルッと回転するレベルに玉当たり調整出来た! 普通のペダルになった!
そういえば外側のナットが、左は外れたんやけど、右は回るのに外れないという怪しい状態になった。 ねじ山舐めちゃったんかな。 一応その状態でも玉当たり調整ナットは回せたんで何とか調整できたんやけど、今からこのペダルを買おうという諸君はこれらの問題を心して欲しい…。
※追記)その後左側のペダルがガタガタするようになって何度も玉当たり調整を強いられ、完全にガタを取ると回転が激重になるんで、僅かなガタは許容して回転を程々に軽くする感じに落ち着いた。 そしてその数カ月後に完全に壊れる。 1 年持たなかったか…。
工具は百均で
明確に何ミリのソケットが必要かって情報は得られなかったんで汎用性の高い複数対応を買ったら 10mm が運良くヒットした感じね。
さあ走るぞ!
壮絶な玉当たり調整も終わったんで早速走ってみたら…速い…ぞ!? 確かに速くなったぞ! ラクに走ってる時は殆ど恩恵は感じないけど、それなりの負荷で走ってる時は体感できるレベルでペダルが軽くなった! 時速 30km/h が 32km/h になる感じ!
原因が踏み面の広さなのか
速さを感覚でなく数値で計ろう
タマに訪れては己の衰えを思い知る聖蹟桜ヶ丘のいろは坂。 最速 3'03" の平均 3'15" な区間を果たして何分で登るのかッ! という事でサクッと登ってみたところ、何と 2'57" とアッサリと記録を更新! SPD を 3'15" の 195 秒として SPD-SL の 177 秒と比べると約 10% のタイム短縮! サイコン平均時速は今までの 13km/h から 15km/h になってたんで 15% 速度アップ!? 使用 3 日目でコレって SPD-SL ホンマに速いでよ…。
しかし Q ファクターが
頻繁じゃ無いしカスる程度だけど靴がクランクに接触しやすくなった。 SPD の時はクリート装着位置を内側にズラすことで足自体を相対的に外側にズラしてたんやけど、SPD-SL はクリートの横位置調整幅が狭くてそれが出来ない。 今回の靴とクリートの組み合わせ固有の問題なんかな。 何にせよ足の大きな人が SPD-SL を使う時は変に Q ファクターの狭いペダルを使うと危険かもしれんス。 ペダルワッシャー 1 枚挟むだけで殆どカスらなくなったので大した問題ちゃうけどな。
クリートの嵌めやすさは
今まで使っていた Dixna ロードトリップと同じで、一旦つま先でヒョイッとペダルを持ち上げてから嵌めなアカンのが煩わしい。 でも Dixna よりはペダルが大きいからヒョイッはチョット簡単かな。
嵌めの固さは、VP ペダルの調整ネジを軽い方に寄せたら壮絶に柔らかくなって超快適! 一番固くしたらある程度の力は必要になったけど、シマノの片面フラット SPD ペダル PD-A530 の最弱よりも柔らかいのでは? と思うレベル。 シマノから交換してその柔らかさに感動した Dixna ロードトリップよりも柔らかいと思う。 レースには向かないだろうけど街乗りには良い感じね。
ネックは、ミスってキャッチ面の反対側に足を乗っけてまうと壮絶にツルンと滑ってまうこと! 靴底がゴムで滑らない SPD じゃこんなことなかったでよ。
歩きにくさは?
クリートのせいでつま先が上を向いてしんどい上に滑りやすい! クリートカバーを装着すれば滑りにくくはなるけど、厚くなるぶんつま先がより上を向いてしまうんで長時間歩くとスネがつりそう。 滑りにくい場所ならカバーは無い方が良さそうやね。
歩きにくさ度を言葉で表現すると、SPD-SL 歩行に慣れてきたら 30 分までならギリギリ歩いても良いと思えるようにはなったけど、それ以上を歩くなら真っ先に百均へサンダルを買いに行くと思う! 改めて SPD シューズの汎用性の高さを思い知るッス。 ハイヒールと較べた歩きにくさを女性に聞きたいやね。
普通の靴で SPD-SL ペダルを漕ぐと?
SPD に較べてペダルの面積が広いんで踏みやすい! 普通の靴に普通のフラットペダルの踏みやすさを 10 とし、普通の靴に SPD ペダルの踏みやすさを 3 とすると、普通の靴に SPD-SL ペダルの踏みやすさは 5 くらい! クリートが無いぶん靴の位置が下がるんでサドルをチョイと低くせなアカンのがネックやね。
さて 2 週間使っての評価は!
ある程度のスピード底上げ効果とそれなりな歩きにくさの 2 点を考慮した SPD との比較評価は、走りが主体の長距離走行なら
追記)こんな履き替え用の靴を用意してみた!
SPD と SPD-SL の差を表にしておこう
靴の重量 | ×重い | ◯軽い |
---|---|---|
ペダルの重量 | ◯片面なら軽い ×両面は重い | △SPD片面とSPD両面の中間 |
歩き易さ | ◯普通の靴とほぼ遜色なし | ×それなりに歩き難い |
自転車での走り | ◯普通の靴の 110% の速さ | ◎普通の靴の 120% の速さ |
SPDは靴は重いけどペダルは片面なら軽いのが意外やね。 SPD-SL ペダルは片面しか無いから軽く見えるけど、同じ片面なら SPD より概ね重かった。 シューズは SPD-SL の圧勝なので総合すると前評判通り SPD-SL の方が軽いやね。 でも SPD だって SH-UT70 みたいな軽量シューズに加えて片面ペダルを選べば重量は SPD-SL と遜色ないレベルになるよ! いつかこの表にソールの硬い SPD シューズも加えてやるぞ!