リアハブのラチェット音を抑える その22020-07

 チョット前に手に入れたリアハブ Powerway R13

の爆音とまでは言えずとも結構なラチェット音の(うるさ)さは、後ろから接近するとビックリして振り返る歩行者多数の騒音だったので、ソレを抑えようとグリス充填作戦を決行したのが前回。 が、グリス充填直後は驚くべき静音化を達成したものの、10km くらい走っただけで充填したグリスがシールの隙間から溢れ出て元の音量に戻ってしまってん。 なのでもう少し強引な方法に打って出る! 打つべし打つべし!

まず音量の体感値を数値で定義しよう

 音量控えめな手持ちの 10 年以上雨ざらしノーメンテなシマノ内装 3 段ママチャリの「チキチキチキ」を 1 とすると、Powerway R13 の「ジリジリジリ!」は 3。 TNI エボリューションライトと同じくらいだったように記憶。 1 度だけ多摩湖サイクリングロードで聞いた爆音ハブの「ジャーーー!!!」は 5 です。 自分の好みは 1.5 くらい。

ラチェットの爪の反発力を弱める

 R13 ではバネ的な薄い金属板が引っ込んだ爪を押し戻す役割を担っていたので、アレコレ試した結果、ペンチで根本の輪っかになってる部分を潰すのが反発力弱め的には正解っぽい↓

↓反発金属板を元に戻した図。

未加工の方は根本にグリスが詰まってて見難いけど凹みにピッタリ嵌まっている。 潰した方はスカスカ。 コレで爪の元に戻る勢いが自分の感覚値で 8 割減! コレは期待できる!

手でフリーをクリクリ回してみたら

 うーん…音は小さくなっている気はするけど、バネの反発力の猛烈な弱体化と比べると静音化度は弱め。 元の音を忘れつつあるので何とも言えないけど、音量 3 が 2.5 くらいになった感じかな。 静音化率は 20〜30% くらい? コレは期待できない…。

いや実際に走って確認してこそ

 余っていた Escape R3 の 28H リムと、今までさんざん組んできたホイールに使っていたスポーク在庫があるので、それでホイールを組むぞい。 というか組んだぞいや↓

 組み方はスポーク在庫の関係で左が 6 本組で右が 4 本組みと左右で交差数を変えた。 テンションは左が 50kgf くらいで右が 120kgf くらい。 やっぱり R13 はマトモに組むと左右のテンション差が恐ろしい事になるね…。 重量は 665g の激重リムが影響したか 1,058g と鉄下駄。

組んだ状態で手で回したら

 ホイールを水平にして (寝かせて) 下側にしたフリーをムンズと牛の乳を絞るように掴んでホイールを回したトコロ、うーん駄目だ音は余り小さくなってないかも。 しかもラチェットをいじる時にヌルヌルが気持ち悪くてグリスをパーツクリーナーで飛ばしてしまったからか「カンカンカン」という妙に響く乾いた音が鳴る。

グリス入れましょ

 今まで使っていた残り僅かな WHITE LIGHTNING クリスタルクリアーグリス が無くなる前に次のグリスとして買っていた Parktool ポリリューブ1000 PPL-1 ってのを使ってみた↓

 緑色やね。 たっぷり入れても溢れ出してくるだけだし今回は控えめにね。 そんでフリーを元に戻して手で回してみたら…目に見える、というか耳に聞こえるような静音化! ママチャリより少し煩いくらいになった! 音量 1.5 くらい?

 いや待て浮かれるな自分。 前回は 10km 程走っただけでグリスが溢れ出して元の音量に戻ったのだ。 期待は失望を生むぞ落ち着け。 それにしても乾いた音なのは相変わらず。 もう少しガッチリした音だったと思うんだけどな。

さあ…走る…ぞい!

 走り始めは何と音量 0.3 の静かさ! 逆に静か過ぎる! でも 20km 程走って以降の音量は、ママチャリと同じ 1 で固定された。 乾いた甲高い響きの音質も目立たなくなった。 ちょっと静かにしすぎた感もあるけど当初の音量 3 よりは全然良い感じ。 音量が上がった後にスプロケを外してハブを確認したら少しだけグリスが漏れていた。

原因を特定させよう

 静音化の要因は今のところ [反発力弱め] と [パークツールグリス注入] の二通りが考えられるので、グリスを除去してみた↓

 コレで走ったら音量は 1 から 1.2 くらいにそこはかとなく音量アップ。 影響度は反発力弱めの方が明らかに強そうね。 という訳で劇的な静音化を目指すならラチェットの爪が戻る反発力を弱めるのが最適! ってこってすな。 摩耗が早まりそうなグリス抜きは良くないだろうし。

でも踏み込み時に恐ろしくギシギシ鳴る

 が、以前異音を発生させていた要因の片方と推測したスプロケ SRAM XG-1099 を使ったのでソレが原因の可能性が高い。 なのでまずスプロケの締め増しをしたけど変化無し。 続いてスプロケを DURA-ACE CS-7900 に変えてみたら異音発生せず。 うん XG-1099 が原因の可能性が高いね。 というか以前の異音の原因はアメリカンクラシックハブと XG-1099 の組み合わせが問題と暫定的に結論付けたけど、XG-1099 が原因って事で問題無さそう。

 ちなみに XG-1099 の異音は、一体型部分の 12-36t で発生し、唯一分離するトップ 11t では発生しない。 根元部分でしかフリーと噛み合わない XG-1099 の一体型部分の構造的欠陥やろか。 まあギシギシ音は歯飛びが起こるくらい摩耗した辺りで発生し始めたので、どちらにせよ寿命だったのでしょう。

※追記)原因は一体型スプロケの締め込み不足と認定

でした

 念願のラチェット音の大幅な静音化は見事に成功だー! 今回は静かにし過ぎたけど、反発力の弱め具合を調節すれば理論上は程良い塩梅に出来る。 こんな事しなくても最初から自分好みのラチェット音量なハブを見つけるのが一番エエんやけど、コレで他も選択肢に加えやすくなった。 他のハブも静音化出来るかは知らんけど。

 ちなみに今の所のマイベストはアメリカンクラシック。 購入当初は音量 0.9 で 3 年使い込んだ今は 1.3 くらい。 使い込んだ後がマイフェイヴァリットの 1.5 に最も近い。 変化量からしてグリスが抜けたんかな。 古い 10s 版だから今のヤツも同じ音量かは知らんけど。 中古 Escape R3 2015 のリアハブは手で回すと聞こえるけど走るとまず聞こえない静か過ぎの 0.3。

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